憂鬱だったり不安だったり頭が自己嫌悪の嵐だったりする時も本を読む。
漱石のショートショート集といってもいいこの本は、頭の中にさまざまな想念が渦巻いてる時でも読みやすい。
とはいえやっぱり集中できなくて内容が入ってこないことも。
特に今読んでいるのが「思い出す事など」で、これは「文鳥」や「夢十夜」とはちょっと毛色が違って読むのに集中力がいる。
でも内容は追えなくても文章を読んでいるだけで、言葉を目で追っているだけで心地よい。
前に漱石の文章は意味がわからなくても心地いいのは、詩みたいだからかなぁと思ったけど、それはもっと詳しく考えれば漢詩みたいだからかも。
漢詩って韻を踏んでいたりリズムがしっかししていて硬質でかっこよくて好きです。
漱石は文豪の中でもインテリ色が強いけど、漢詩もバッチリマスターしていたんだろうな。
漢詩が日本人の教養として当たり前にあった時代の最後の方の人だって聞いたこともある。
漢詩も読みたいな。
図書館で岩波文庫の漢詩を手に取って、面白そうだな今度読もうと棚に戻した本のタイトルが思い出せない。
結構前から私のお尋ね人ならぬお尋ね本なんだけれど。
なんだったかなあの本。
今年は夏目漱石の小説を全部読むを目標にしてきたけど、今読んでるものと、あと『明暗』だけになりました。
果たしてあと数日であの分厚い『明暗』が読めるでしょうか。
今年も大掃除そっちのけに。
小説読むのに精一杯だったから来年は漱石についての評論も読みたい。