本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

読書日記 『多読術』

本は一冊ずつ、一冊だけを読んでいるんじゃないっていうことです。ジーンズの上にシャツを着たりセーターを着たりジャケットを着たりするように、自分のお気に入りのジーンズ・リテラシーの上にいろいろ本の組み合わせを着たり脱いだりすればいいんです。

 

本をたくさん読んでいるとその人だけの本と本の相関図ができあがってくる。

本は誰に対しても開かれているけれど、その位置付けは読む人ごとに違って何パターンもある。

その組み合わせや紐付けの仕方はその人の内面が現れるものでもある。

 

松岡正剛さんの『多読術』をポール・オースターの『インヴィジブル』と一緒に読んだ。

 

図書館で借りて読み始めたものの数ページで挫折したオースターの『ムーン・パレス』を数年後、正剛さんの松丸本舗で見かけて何故だか気になってもう一度挑戦しようと購入した。そしてその後何度も読む大切な本になった。

『インヴィジブル』を読みながらそんなことを思い出した。

 

『多読術』と『インヴィジブル』。

たまたま併読したものだったけど、響き合うところが私のなかではあってなんだか嬉しく、また相関図が広がったような心地。

 

たくさん本を読んでいるとこういうことはたまにあって、本と本が私の中で連なって一つの連関をなし、ひとつの生き物みたいになっていく。

この生き物をもっと大きく豊かでややこしいものにしていきたい。

 

読書って二度するほうがいいんです。同じ本をね。というのは、読書にはその本のこととはべつに、いつ読んだのか、どんな気分で、どんな感受性のときに読んだのかということが、密接にかかわっている。道中がくっついている。宿泊先の枕の感触もくっついてくる。読んだ本の感想を書くには、このことを無視できない。

 

 

多読術 (ちくまプリマー新書)

多読術 (ちくまプリマー新書)

 

 

 

インヴィジブル

インヴィジブル

 

 

 

ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)