本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

Twitter文学賞というお祭り。

今年もTwitter文学賞の季節がやってきました!

ずっと結果発表を見るだけの私でしたが、今回は国内編海外編ともに投票したので更に結果発表が楽しみに。

 

今回はTwitter文学賞についてです。

 

 

 

Twitter文学賞とは。

Twitter文学賞Twitterのアカウントを持っている人なら誰でも去年一年間に出版された小説ひと作品に一票投票でき、その結果を書評家の豊崎由美さんをはじめとする豪華な書評家の皆さんがUstreamで解説を交えながら発表するのが聞けるという読者参加型の楽しいお祭りです。

ざっくり言うと。

詳しくはこちらから↓

 

 

twitter-bungaku-award.theblog.me

 

 

Twitter文学賞のおもしろさ。

今年の投票期間は終わってしまったのですが、去年までの私がそうだったようにこのTwitter文学賞は結果発表のUstreamを見るだけでも十分楽しいです。

読者投票だけあって結果を身近に感じることができますし、普段の自分の守備範囲でないもの、去年残念ながら自分の視野に入ってこなかった作品を知ることができます。

(私は一昨年のTwitter文学賞で初めて佐藤亜紀さんを知りました。それまで知らなかったことが恐ろしいくらいの作家さんでした…)

 

歴代受賞作品はこちら↓

Twitter文学賞投票結果上位一覧1-8回|文学賞の世界

 

しかもその作品を個性豊かな書評家の皆さんが解説してくれて、更に読みたくなるのです。

今年の結果発表回は3月3日です。

Ustreamでもみれますが、これはB &Bでのイベントを中継するものなので直接B &Bに行っても楽しいかも。

 

 

bookandbeer.com

 

直接イベントに行けなくても、時間が合わなくて生中継が見れなくても、途中から途中までしか見れなくても、Twitter文学賞はアーカイヴを残してくれているのが嬉しいところ。

ちなみにこちらは去年のもの。

 


第8回 Twitter文学賞 結果発表

 

皆さん本当に作品を細やかに巧みに紹介してくださる書評家の方ばかりです。

読書好きにとって好きな作品好きな作家さんに出会えることは幸福ですが、好きな書評家さんに出会えるのも力強い味方が増えたような大きな喜びがあります。

Twitter文学賞はそんな出会いの場でもあると思います。

 

 

私の投票作品。

ここからは私が今回投票した作品です!

一票しか投票できないということで本当に悩みました。(特に国内編)

でもこの一票だけっていうところがTwitter文学賞のおもしろさ、賞としての純度を高めているんだろうなぁ。

 

『エヴリデイ』デイヴィッド・レヴィサン

まずは海外編に投票した作品から。

これは前にブログでも書きましたがYA作品の『エヴリデイ』です。

 

bookbookpassepartout.hatenablog.com

 

詳しい感想はこちらを見て頂きたいのですが、本当に素晴らしい作品です!

去年は海外文学もたくさん読んだのですが、この『エヴリデイ』の印象は今でも鮮烈で、今でも思い出しては胸が苦しくなるような作品。

Twitterを見る限り他にも多くの方が投票されているので、一体何位になるのか発表が楽しみでなりません。

 

 

エヴリデイ (Sunnyside Books)

エヴリデイ (Sunnyside Books)

 

 

 

『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子

国内編は本当に悩みに悩んだのですが、津村記久子さんの『ディス・イズ・ザ・デイ』にしました。

 

他にも好きな作家さんもっと知名度があがって欲しいなと思う作家さん、好きな作品というよりも衝撃を受けた作品などなどありましたが、『ディス・イズ・ザ・デイ』にしたのは、『エヴリデイ』と同じく読み終わった時の印象が今でも全く薄れていないから。

詳しい感想は読み終わった当時のインスタ投稿を読んで欲しいのですがあの時に感じた、登場人物たちの自分ではない何かに身を委ねて一喜一憂し、それに巻き込まれてしまうも、そこから離れることなく他者のために祈り続ける心を動きを今でも覚えているし、これからもずっと私のどこかにい続けて欲しいな、と思います。

 

https://www.instagram.com/p/Bkpa32GnjIC/

*とても好きなんだろう、とヨシミは思った。ちょっとでもどこかのクラブの応援を始めたらわかってくる。チームにはきっといいことも悪いことも待っているだろう、でもそれを承知でついていくのだ。いい時も悪い時も。*..誰かが闘っている姿、誰かが頑張っている姿に心動かされ、自分も頑張らないとと思ったり、勝敗に一喜一憂し、選手の好調不調で、自分のコンディションも変わってしまう、そんな彼らは、応援するだけで、見ているだけしかできなくて、自分が直接手をだせないものに、自分のデリケートな柔らかい部分を差し出してしまっているように見えた。それって恋みたいだなぁと思った。.でも彼らは元々積極的な理由があった訳ではなくて、静かな温度でなんとなく出会ってしまったのだ、サッカーに。クラブに。.でもそういうもんなんだろうな。確かめる術がない状態で今何が起こってるのか気になってそわそわしたり、始まる前に入念な準備をしたり、良かったら天にも一直線に勢いよく登るような気持ちになったり、悪かったら地に全身が打ち付けられたように身動きができなかったり、誰かの無事を成功を祈る以外には何も考えられなくなったり、そういうものに出会う時ってだいたいそんなんだ。.切なくて寂しくて苦しくてでも輝けるその瞬間を求めて心を預け続ける人々を描くこの小説を、恋とか愛とかの他にどういった言葉でいいえるだろう。.#ディスイズザデイ#津村記久子#読了.「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」.22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて2部リーグ最後の試合の「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、十数年ぶりに再会した祖母と孫など、ごく普通の人たちのかけがえのない喜びを、サッカーを通してエモーショナルに描き出す連作短編集。.#本#読書#本が好き

 

Twitter上でこの作品に投票している人も見かけてなんとも嬉しい気持ちになりました。

 

 

ディス・イズ・ザ・デイ

ディス・イズ・ザ・デイ

 

 

 

 

おわりに。

 

同じ作品に投票した人をみかけると「もしかしたら本の趣味が合うのかな?」とか考えてしまって勝手に親しみを感じるのも楽しい。

ひっそりと翻訳家さんや書評家さんが投票しているのを発見するのもなんだか嬉しい。どんなに有名な翻訳家さんや書評家さんでも読者と同じ一票を持っていて、そこが「ただの本好き」に開かれた「ただの本好き」のための文学賞なんだな、そうあって欲しいな、と思います。