先日、千葉市美術館で開催中の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」に行ってきました。
最近ではマツコの知らない世界で絵本が特集されていたり、NHKの本特集の番組でも絵本の読み聞かせが取り上げられていたり、絵本が気になる。
絵本っていいですよね。
大人になった今でも図書館の絵本コーナーで子供がいない瞬間を狙ってひっそり読んだりしています。
ということで今日は絵本について。
大人だって読みたい絵本。
ブラティスラヴァ世界絵本原画展
この展覧会はざっくりいうと世界絵本展。世界の絵本の原画を展示し、その絵本を手にとって読むことができるという本好き絵本好きにはたまらない展覧会。
もっとちゃんと言うとスロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年ごとに開催されている、世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」で賞をとった作品、日本からエントリーした作品、そこで出品されていた今注目の国イラン韓国中国イスラエルの絵本の原画と、展示されている絵本の関連資料などが展示されている展示です。
原画を見ることも楽しいのですが、世界の絵本が手にとって読めると言うのがなんとも楽しい。その国の言葉で書かれているので内容はわからないけれど、絵本って文字が読めない子供に対して書かれているものでもあることだし、絵だけでも十分楽しめます。
メキシコの変な動物(日本でいうと妖怪)が描かれている絵本では妖怪的な存在って意外と世界共通なのかなと発見があったり、ロシアのアパートの一室の歴史を時代ごとに一枚一枚描いている絵本ではその生活様式の移り変わりを見ることができたり。
『散策』 リ・ジョンホ
本当に色々な国の絵本が読めて大満足な展覧会でしたが、中でも私が好きだったのは2冊。
そのうちの1冊はこちらの韓国の絵本。(画像は下記リンクのスパイスより)
本が風景に溶け込んでいる繊細な作品。
本好きとしては本が描かれている絵が好きというのもあるますが、物語が世界に溶け込んでいるという物語性、その世界観が好き。
この絵本欲しいです…。
ハングルが読めないのが残念だったけど、それでも手元においておきたいなぁと思う作品でした。
『きょうはそらにまるいつき』荒井良二
もう一つ好きになった絵本はこちら。
これももう月好きにはたまらない絵本。
これが展示されているのを見た瞬間に、これは日本の絵本だからミュージアムショップにあるはずだ。買おう。と決意。
無事に購入できました。もう3回読んでます。毎日読めます。
それぞれの人が、猫がクジラがそれぞれの夜を過ごす。それぞれの1日を終える。
その様子を空に浮かんでいるまあるい月が見守っている。
という絵本なのですが、もう大好き。
そもそも月が好き。
月を見上げると月と目があっているような気持ちになる時があります。
月はずっと見ていて、その暖かな静かな光で、静かな距離で見守っていてくれているような、まるで月が幼なじみであるような気持ちがしてくる時があります。
この絵本はそんなふうに月を見上げているときの気持ちが漂っています。
荒井良二さんの優しい絵と無垢な文字と月の慈愛がつまった絵本。
大人が読んでも、いや大人にこそ読んでほしい絵本です。
おわりに
他にも大人になってから買った絵本には西加奈子さんの『きみはうみ』とかヨシタケシンスケさんの『あるかしら書店』ややなせたかしさんの『あんぱんまん』があります。
どれも大切な絵本です。
江國香織さんの絵本を紹介したエッセイ『絵本を抱えて部屋のすみへ』で紹介されていた絵本を図書館で読むのも楽しい。
大人になってからの方が絵本に親しんでいるかもしれません。
絵本は子供だけじゃなく大人も楽しめるものです。もしかしたら大人が楽しんでいる姿は子供にとっても楽しいかも。
絵本からは離れているな、という方にも手にとって見てほしいです。