本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

読書日記 歩き読書禁止条例

前から本を読みながら歩いてくる人がいた。

ブックカバーをつけていないようだったので、すれ違う時に表紙をガン見したら村田沙耶香さんの『コンビニ人間』の文庫だった。

後ろの方のページを見ていた。

後ろの方といえば中村文則さんの解説だ。

この人は中村文則さんのファンなのだろうか。

それともラストが気になりすぎて歩きながら読んでしまったのだろうか。

 

気になる。

気になりすぎて本を読みながら歩いてくるその人を、すれ違い遠ざかっていく後ろ姿までまじまじと見てしまって動けなかった。

 

私も歩きながら本を読んだこともちょっとはあるけど、あんな長距離は歩いたことない。

続きが気になる本や、今日中に読み終わってしまわないといけない本を読みたくて、信号待ちの時に読み始め青に変わったんだけどちょっと区切りのいいとこまで横断歩道を歩きながら何秒間か読んでしまったり。

それぐらいの距離の歩き読書。

しかしこうして文字にしてみると危ない。車が速度をあげて曲がってきたらどうするんだ。

 

読みたい本が多すぎて、本を読める時間が少なすぎて、額の真ん中に第三の目が開かないかなぁと思うことも。

そうすれば前を見て歩くことはその目に任せて、後の2つの目で本を読みながら歩けるのに。

そうすれば読書時間も1日30分は増えるのに。

 

歩きながら本を読む人を見るのが初めてだったので嬉しかった。

本を読む人は減っている。

歩きスマホ禁止条例ってものがあるけれど、歩き読書禁止条例ってものができるほど本を読む人が増えればいいのになぁ、と思うことがある。

もちろん危ないからダメだけど。

 

 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)