機を窺って耐え忍ぶなんて生ぬるい。独立させてくださいとお願いしたって駄目なんだ。勝手に独立すればいい。宣言してしまえばこっちのもんだ。誰も私たちを止められない。めでたい。気分がアガる。ロング・リヴ・マイ・インディペンデンス!万歳!万歳!
ブレイディみかこさんの『女たちのテロル』を読んだのだけどすごかった。
金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー。自分達を抑え付け支配する権力に反逆する彼女たちの物語とブレイディさんの筆致が重なって吸引力爆発力がすごいグルーヴを生み出してる。
ブレイディさんもなかなかロックな人だもんな。語られる物語と語る人の筆致がぴたりと噛み合うとこんなグルーヴ生まれるのか!と感動。
3人ともすごいけど、特に女性参政権を主張するサフラジェットのエミリーがすごい。
そんなことしたら死んじゃうよ?っていうか死ぬのなんて怖くないのね??という感じ。
なにも怖くない人のいかれ具合というか怒り具合がすごくて、尋常の人間では誰も勝てないし、抑えられないよ…。同じ主張を持ってる人でさえついていけないのでは…とそこが気になってしまう。
アイルランド独立運動に参加したマーガレットのパートはダウントンアビーを見てたからトムの背景と重なって、より興味深く読めるし、視点が増えて解像度が上がるのがわかって面白い。
この本自体同時代を別々の土地で生きた女性3人の話だから、同時代の世界像が重層的感じられる面白さがある。
同じ人物でも視点人物が変わると多層的になるし、別人物でも同時代だと時代性が多層的になるし、そういうのが好き。
金子文子についてもいだてん見てたからなんとなく時代性がわかって、この時東京がどういう街並みで人々がどんな格好してたのがわかってたから頭の中のイメージがよりリアルだった。
映画『金子文子と朴烈』なんの予備知識もなくポスターだけで公開前から気になってたのよね…。見ればよかった。
エミリー・デイヴィソンが出てくる『未来を花束にして』も公開時になんとなく気になってたけど、見なかったのよね。
もっと自分のなんとなく気になるを信用して引っかかったものはちゃんと調べよ。アマゾンプライムにあるから見よ。
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bookbookpassepartout.hatenablog.com