人間は生まれた時から孤独で不安なんです。だからどう生きるべきかなんてわかるわけがないですよ。何でも手当たり次第、とりあえずつかんでみるんです。運良くいい物をつかむこともあるし、これ違うと思いながらもつかんだものを手放す勇気がなくて、仕方なく握っていることもあります。そして誰かにそれを奪われると、この世に放り出されたばかりの赤ん坊に戻ったように、泣いて不安がるんです。つかむものも、頼るところもなく、裸でジタバタして、みんなそうやって生きてるんです
帯裏にある「一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう?」という文と自殺に失敗した主人公ソンゴンがまず姿勢矯正をすることから人生再建を始めるというあらすじから、そういう教室に通ってそこの先生とか生徒のおばちゃんに救われる話なのか?と思ったけど全然違った。
そうだよね!そんなふうに救ってくれる他人なんていないよね!他人がしてくれるのはほんと応援くらいで、自力で立ちあがるしかないんだよ!と逆に励まされた。
救いの言葉ではないけど、ヒントになる言葉をくれる人はいて、でもそれを言う人はそんなつもりで言ったわけではなく何気なく言っただけで、そこからソンゴンが自分の来し方を振り返り、何がいけなかったのか自省し改める努力するのが良かった。
誰かに救われるんじゃなくて自力で回復ルートを探るのが良かった。
夢物語でもなく、ヒーローが登場して簡単に救われる物語もなく、自力で足場を固めてゆっくり着実に回復していく再生の物語だった。
あと、変わることが大事といいつつ、変わることの困難さをきっちりしっかし書いてるビターすぎる展開も良かった。
どん底を経験したぐらいじゃ、嫌なやつが良い人間になるはずないんだよーー。良い人間に一旦はなるかもしれないけど、気を抜いたらすぐ嫌な奴に後戻りなんだから、嫌なやつの慣性の法則なめんなーー(自戒)と打ちのめされた。
韓国の小説には、わかりやすいエンタメハッピーエンド物語はないんだろうか。
主人公が窮地に立たされて色んな事件が起こるけど、周りの人に助けられたり、実は隠れた才能があったり、自分の才覚を発揮できる幸運に恵まれたりして、なんか色々大変だったけど、ハッピーエンド!カタルシス!みたいな物語はないのか。
あんまり読んだことはないと思うけど。
あったらあったで読んでみたい。でもこの『TUBE』みたいなハッピーエンドなんだかバッドエンドなんだか、どっちなのかわからない物語は、ただハッピーエンドを見せる物語にはないような、慈しみとか戒めとか根性があった。
