本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

3月に読んだ本、色々。

3月は眠すぎたり忙しかったりであまりブログが書けなかったというのもあるし、一つの記事で長々と書けるほどではないけど、感想書いておきたい本があるので、3冊ほど紹介しますー。初の試み。

 

1.『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』五条紀夫

 

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もうタイトルがそのまま内容紹介。

みなさんご存知の「メロスが友人を人質にして、妹の結婚式をあげに故郷に帰る」というストーリーに、その故郷で殺人事件がおこるというストーリーが乗っかっている。

 

その殺人事件というのは、羊小屋での密室殺人。その謎を解く途中で、古代ギリシアの羊小屋がどういう構造で、どんなレンガが使われているかという豆知識が披露されるたり、故郷の村人が「若者が知識を身につけると都会に行ってしまって帰ってこない」とか若者の地方から都会への流出っていう現代的な視点もあって面白い。

実はメロスが巻き込まれる事件は一つではない。これとはまた別にメロスが巻き込まれる事件が何個かあるんだけど、そのうちの一つの事件では太宰治をモデルにした人物が出てきたり、太宰治に実際にあったエピソードが盛り込まれていたりしていて、これがまぁ面白い。

読んでいて面白すぎて、「ちょっと待ってくれ」と一旦本を閉じたぐらい。

太宰治ファンには読んでほしいなぁ。リスペクトとアレンジ力がすごかった。

 

 

 

 

2.『韓国が嫌いで』チャン・ガンミョン

 

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最近映画にもなった小説。

主人公が韓国を脱してオーストラリアに留学し、市民権を得ようとする。留学の話だったり市民権を得るまでにどういう条件があるのかがわかって、まるで体験記を読んでるようで面白かった。

留学移民話以外にも、韓国ならではの恋愛事情というか破局パターンも伺えて興味深い。

それはなにかというと、韓国の兵役義務が関係する。

主人公は大学の時に同級生と付き合っていたんだけど、その男の子は大学在学中に兵役にいく。その期間2年。主人公はその間に大学を卒業し、社会人になる。

兵役を終えた彼はまだ学生で一方は社会人、という立場とか価値観の違いが生まれて、すれ違ってしまう。 兵役というものを経験してるかしてないかだけでも、価値観に差が生まれそうなものなのに。

小説の中の話といえど、なかなかリアルで、現実にもこんなカップルが絶対にいるだろうと思わせる。

韓国文学をたくさん読んできたけど、あんまり兵役義務周りの話って出てこなかったので興味深かった。

 

 

 

 

3.『コミック・ヘブンへようこそ』パク・ソリョン

 

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こちらも韓国文学。短編集。

浸水し始めた漫喫とか、ウィッグを買いに行く車中とか、インターン先の会社とか。そこで巻き起こる物語や悲喜交々も良かったんだけどその叙情と同じぐらい叙景も良かった。

そしてここでも彼氏が兵役に行っている女の子がでてくる短編がある。

そういう女の子達が色んな悩み事を話したり、差し入れをどうするか?というような相談をするネット提示版が舞台の短編。

兵役というを若い時にいくものだから、そういう提示版にいる女の子たちも若い子が多い。だけど、たまに年上女性と年上男性のカップルがいて、彼氏が兵役にいっているなんてこともある。そうすると若い女の子たちばかりの提示版には馴染めない。だから年上女性が集まる提示版もある。

これは全部小説で読んだ話だから、本当にあるのかはわからない。でも全然ありそうな話だ。

 

パク・ソリョンは韓国の労働闘争をテーマにした『滞空女』、オーストラリアを舞台にした留学生の話『シャーリー・クラブ』を読んできたけど、どれも雰囲気が違う。読むたびに好き度が増してきて、この『コミック・ヘブンへようこそ』が一番好きだ。Xで得た情報によると、このパク・ソリョンは魔法少女シリーズも書いているらしい。まだ邦訳はない。読みたすぎる。

 

 

 

 

こうやって一つの記事で軽く何冊か紹介するのも楽しい。また書きたいなぁ。