某月某日
『世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない』を読む。
秋にヘルシンキに行く予定なのでフィンランド関連本を読み漁っている。ムーミンとか『こじらせ北欧日記』とか益田ミリさんのエッセイとか。
『世界一しあわせな〜』は一見、「自己啓発本かな?」と手に取ったけど、哲学的幸福論だった。
フィンランドに関する記述はまだほとんどない。
感情、知性もやはり一時的な存在である。すべては刻一刻と変わり、一時も同じままで留まってはいない。仏教徒は特に、この永続性をよく知っているだろう。仏教徒ではそれを「無常」と呼ぶ。
日本人は無宗教というけど、「強いて言えば仏教徒かなー、お墓や葬式は仏式だし」という感じだろう。こんな風に「強いて言えば」ではなく心から仏教を信仰している人って日本人でいるのだろうか。仏教って宗教というイメージが薄い。「信仰心の強い仏教徒」というワードには何か違和感がある。どちらかというと哲学の位置にいる気がする。
「仏教徒ではそれを「無常」と呼ぶ」とあるけど、別に仏教徒じゃなくてもそれを「無常」と呼ぶよな、日本では。
某月某日
『世界一しあわせな〜』を読み終える。
フロリダ州立大学のナサニエル・ランバートは、大学の学部生を一定数集め、「自分の人生を意味深いものにしてくれるものを1つ選ぶとしたらなんですか」をいう質問をした。すると回答者の約3分の2は、家族のうちの誰かの名前をあげるか、もしくは単に「家族」と答えた。次に多かった回答は「友人」だった。
みんなそんな家族や友人が…。私にはそこまで重きをおける家族や友人がいないので、それに答えるとしたらなんだろうと考えたところ、「趣味」かなと思い当たった。
結局自分の1人のために生きていて自分が楽しいと感じる瞬間があれば、人生が意味深いものになるということだろうか。
随分刹那的な生き方な気もするけど、それしかやりようがない。「生きよう」という気持ちが湧くような楽しい瞬間があれば、それを与えてくれる趣味があれば、家族や友人や高尚な人生の意味がなくてもいいような気もする。
『ムーミン谷の夏まつり』を読み始める。
「ご紹介しましょう。これが、わたしの家内。こっちがむすこです。それから、こちらはスノークのおじょうさん。ミムラさん。ミイ子ちゃんです」
「ミーサです」
と、ミーサがいいました。
「ホムサです」
と、ホムサがいいました。
「ばかみたい!」
ちびのミイが、つぶやきました。
ミイ!!わかるけど!
ここはムーミンパパが家族たちをミーサとホムサに紹介するシーン。
自己紹介の時って気恥ずかしさとか、「なんだこれ?」感ありますよね。あれなんなんでしょうね。「ばかみたい」とまでは思わないけど、浮ついているというか、こそばゆいというか、なんだこれな感じ。
『ほんとはかわいくないフィンランド』を読み始めて読み終える。
ガイドブックや『こじらせ北欧日記』を読んでいると、ヘルシンキへの期待が高まりすぎて、楽しみすぎて、実際行ったら「大したことないな」と思ってしまうんじゃないかと、怖いぐらいまでになっていた時に、ちょうどよく期待を宥めてくれるエッセイだった。
観光客が抱くイメージは、現実逃避的、自分の日常から離れた非日常の異国風景だけど、このエッセイに描写されているのは、筆者の日常と人生で、それはいかにもありそうでどこにでもありそうなもので生活臭がした。
某月某日
『ムーミン谷の夏まつり』の続きを読む。
ミーサは、かがみの中を見て、ためいきをつきました。それからまた、べつのうつくしい、赤くみだれたかみの毛をつけて、前がみを目のところまでたらしました。だけどやっぱり、たのしい顔つきにはなりません。
ミーサ!わかるよ!
これは色んな形や色のウィッグを見つけたミーサがそれを変わるがわるつけてみるシーン。
素敵な髪型に見えても、いざその髪型にしてみるとなんか違うよね。顔面が違うからね。ネットでいろいろ調べて「この髪型にしよう」と決めて美容院行っても「思ってたのと違う」ってなるあの感じを思い出す。
髪型の良し悪しやそれが似合うかどうかではなく、結局モデルさんの顔が好みかどうかで選んでしまっている気がする。
某月某日
『ムーミン谷の夏まつり』を読み終える。
スナフキンがひょんなことから24人もの子供を面倒見なくてはならなくなるところが読みどころだ。
スナフキンは1人好きで孤高の存在で、子供の面倒を見ているところなんて想像したこともなかったけど、意外や意外甲斐甲斐しく面倒を見ている。子供たちの身なりを整えたり明日は何を食べさせようか悩んだり。孤高で自由だけど、大人としての責務を悪態をつきながらも果たすところがグッとくる。
でも子供の面倒を見るきっかけになった、公園にある「◯◯するべからず」と書いてある看板をぜんぶ抜くという行動はどうだろう。
このアンビバレントはどうだろう。結婚する前はマメで甲斐甲斐しく優しいけど、結婚したらモラハラみたいな危険性も感じる。
『考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール』の続きを読む。
益田ミリさんのこのエッセイは再読なんだけど、これから先何度も読めそうなくらい読み心地がいい。
文章のテンションが落ち着くというのもあるけど、一人旅の一人の感じと旅の最終に出会う人や思い出す人との距離感がいいのかもしれない。一人でいる時の自分と誰かといる時、誰かを思い出してる時の自分の配合がいい。

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