本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『絵を見る技術』 秋田麻早子

この『ウルビーノのヴィーナス』を見たあとなら、解剖学的正確さより構成の見事さのほうが優先されるということがよく分かると思います。写実的に描く技術より、構図の設計のほうがずっと重要で、画家の腕の見せどころなのです。大抵の人は構図が立派なら多…

『線は、僕を描く』砥上裕將

僕は絵を描くことで気づかないうちに恢復していったのかもしれない。言葉はいつも考えに繋がって僕を無気力にさせたけど、絵は、水墨は、描くことで自分の考えの外側にある世界を教えてくれた、僕が何を感じているかを伝えてくれた メフィスト賞は森博嗣や辻…

『女たちのテロル』ブレイディみかこ

機を窺って耐え忍ぶなんて生ぬるい。独立させてくださいとお願いしたって駄目なんだ。勝手に独立すればいい。宣言してしまえばこっちのもんだ。誰も私たちを止められない。めでたい。気分がアガる。ロング・リヴ・マイ・インディペンデンス!万歳!万歳! ブ…

『さいはての家』彩瀬まる

野田さんの読み聞かせが始まって二ヶ月が経ち、だんだん考えることが変わってきた気がする。賢くなったとかではなく、自分が今なにを感じているのか、前よりもよくわかるようになった。漠然と体のどこかが痛い、と思っていただけだったのが、肘が痛い、お腹…

『今日は誰にも愛されたかった』

ベランダに見える範囲の春になら心をゆるして大丈夫 大嗣 春って外に出るとなんか人がワイワイしてて、はるのほうから無遠慮に押し寄せてくるイメージがあるんですけど、それが僕は馴染めないんですね。でも自分の家のベランダに出てそこから桜とか遠くに見…

1月読了おすすめ本

去年は365冊も本を読んだので、今年はもうちょっとだらだらゆっくり読んで行こうということで、1月読んだ本は17冊。 ゆっくり読もうと思ったもののやっぱり物足りない…。去年の1月は33冊も読んでるから物足りないのも確か。 それに本って1冊読むと次々に読み…