本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記 ネガティブ・ケイパビリティ

「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、相手の気持ちや感情に寄り添いながらも、分かった気にならない「宙づり」の状態、つまり不確かさや疑いのなかにいられる能力である 小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』 渡辺佑真/スケザネ『物語のカギ 「読む」が…

『自分ひとりの部屋』 ヴァージニア・ウルフ

散文や小説の執筆は、詩や劇の執筆に比べれば容易だったことでしょう。集中力をそれほど必要としませんから。ジェイン・オースティンは生涯そんなふうに執筆を続けました。彼女の甥が回想録に書いています。「作品につぐ作品をどうやって書き上げたのかは驚…

第167回芥川賞受賞発表後日談。

第167回芥川賞受賞作が発表されました。 もう7年くらい芥川賞候補作を読み続けてきたけど、ちゃんと予想立てたことなかったなということで昨日受賞予想ブログを書きましたが、せっかくなので発表後の答え合わせや新芥川賞作家さんのことやあれやこれや、…

第167回芥川賞受賞作予想!

もう7年も芥川賞候補作全部読みをしているけど、まともに受賞作予想というものをしたことがない。 外したら恥ずかしいからすぐ消えるインスタのストーリーで予想したり、ツイッターでちょろりと予想してみたり。 そんな風にこっそりこっそりとしたやり方でし…

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子

みんながみんな、自分のしたいことだけ、無理なくできることだけ、心地いいことだけを選んで生きて、うまくいくとは思えない。したくないことも誰かがしないと、しんどくても誰かがしないと、仕事はまわらない。仕事がまわらなかったら会社はつぶれる。そん…

2022年上半期の本ベスト10

2022年上半期は81冊の本を読みました。 その中でベスト10を決めたのでそれぞれの本の感想をまとめたいと思います。 ツイッターやはてなブログに書いた感想を読み返してみると、その時の感情が蘇ってきたり、いい本だったことは覚えていても詳しい感想は忘れ…