某月某日
『まいまいつぶろ』を読む。
己の出世しか考えてなかったような人がそれを投げ捨てて、他者のために身を捧げることを決意するシーンっていい。
久しぶりに時代小説を読んだ。私は好みの小説を関係性でいうと、主従関係を書いた小説が好きなのだが、それなら私はもっと時代小説を読んだらいいのでは?と気づいた。
主従関係を書いたものが好きといっても、読んでみないとそれが書いてあるかどうかわからないのが悩みどころだ。「主従関係小説」なんてジャンルはないのだから。
でも時代小説で将軍とか武将とか出てくるものを読めば、それにあたる確率は高いかもしれない。あとはイギリスの貴族の話とか?
もっとたくさん本を読んで、もっとたくさん好みの主従関係小説に出会えたら、同じ好みを持つ人にむけて「おすすめ主従関係小説5選」とかやってみたい。
某月某日
『トーベ・ヤンソン短篇集』を再読する。付箋が貼ってあるところに差し掛かるとちょっと緊張する。再読は日記を読み返すようなものだ。
私は、日記を読み返すということがない。自分が相対化されて他人のように思えて心許なかったり恥ずかしくなってしまうから。
そこで理解できない自分、他者になってしまった自分と出くわすこともある。なんでこんなところに貼ったのか理解できなかったらどうしようと思うとちょっと怖い。
他人になってしまった過去の自分と仲良くするやり方がよくわからない。だけど、今日読んだ付箋のところはここに付箋を貼った過去の自分が愛おしいと思える文章だった。
某月某日
『けんごの小説紹介』を読む。
面白そうな本を探すためというより、けんごさんの小説紹介の仕方を分析して学ぼうと思って。
けんごさんも、声優で作家の池澤春菜さんもそうだけど、本の紹介が上手い人はあらすじの紹介が上手い。「その先はどうなるの?」という気持ちにさせるまでの誘導が上手い。そしてちゃんと美味しいところは取っておいてくれる。情報の放出と抑制の匙加減が絶妙だ。
私はどうにもあらすじ紹介というのが苦手で、客観的事実を把握して整然と並べ立てることができない。とっちらかってしまう。
小説を読んでいる時は、頭のなかで筋を整理しながらというより、感情が波に乗って右から左に流れていっている。読み終わった後残るのは微かな感情の名残だけである。
もっとこう、頭の中に家を組み立てるように筋を組み立て、その中に感情を入れ込むようにして読めば、あらすじ説明も上手くなるし、読んだ本のことを鮮明にいつまでも覚えていられるのだろうか。それはどうやってやるんだろうか。
池澤春菜さんの本紹介っぷりが気持ち良くも恐ろしくなってくる動画↓↓
某月某日
『永遠のおでかけ』を読む。
益田ミリさんのエッセイはあらかた読むと決めたので、特に中身を確認せず図書館の棚にあったいくつかの中から適当に選んだものだけど、「あぁこれは親が年老いてきている中年が読むと辛いやつかも」とちょっと後悔する。こういう話ならもうちょっと読むのに心構えが必要だったと。
それでも読む。
人間ならば誰しもが経験するような出来事があって、それを人生の先を行く人たちが書き記してくれるのはありがたいことだ。
そうやってちょっとずつ準備して、だけどいざ自分の番が来たら全く役に立たなかったり大いに役に立ったりするのだろう。
どちらにせよ束の間のお守りになることには違いない。
某月某日
『TED 脅威のプレゼン』を読む。
魅力的な本の紹介ができるようなりたい、そのヒントになるものがないかと読み始めた。
プレゼンにはストーリーが重要らしい。そのストーリーで聴衆の感情を動かすことによって、魅力的で記憶に残るプレゼンになるのだとか。
確かに感情が揺さぶられた小説は記憶に残る。ならば前のめりで感情移入していって感情を揺さぶりにかかれば記憶に残る小説は増えるだろうか?そうすればもっと小説を楽しめるようになるだろうか?
でもそうやって前のめりになること、感情を動かすことは元気じゃないとできない。元気じゃないと心を開いて前のめりになって心を動かせない。
プレゼンしたいものと自分の人生のストーリーを絡めるのも、プレゼンを印象深く魅力的にする秘訣らしい。
でも語れるストーリー、プレゼンに有意に働くストーリーなんてそうそう人生に起きない。
ストーリーというのはもっと行動的になって人生を動かしていかないと巻き起こらないものだ。
そんな行動を起こすためには元気がいる。
手持ちの人生もしっかり向き合って分解して吟味して組み立てれば魅力的になるのかもしれないけど、そんなふうに自分の人生に向き合うのも元気がいる。
魅力的なプレゼンのためにはどうにもこうにも気力体力が必要らしい。













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