本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

読書日記 東京を生きる

自分なんかなんでもないことを知って、頬を叩かれて、「ちゃんと生きたい」と思っていた。 いろんな文化にかぶれて、流行に流されて、はっきり何がいいとか悪いとか言えない自分は、いやだった。何がしたいのかわからないのに、自分のことを特別だと思いたが…

読書日記 風船を買った

恐れるな、という言葉をどう伝えればいいのか分からず、わたしはしかめっ面のまま歩いていた。それから、不安や怖れといったものが、もしかしたら、今のわたしや君の人生を支えているのではないかということも。だからJ、わたしは君が順調に回復すればいいと…

無修正の言葉で。

小林聡美さんがゲスト2人を招いてひとつのテーマにとって話をする、『ていだん』という本を読みました。 2人の会話は対談、3人の会話は鼎談というのだけど、対談本も鼎談本も読むのは久しぶり。でも毎回読むたびにもっと対談本も読まなきゃな、と思います。 …

読書日記 歳月

歳月だけではないでしょう たった一日っきりの 稲妻のような真実を 抱きしめて生き抜いている人もいますもの 叶わない恋とか失ってしまった恋のほうが美しいような気がする。 そうみえるような気がする。 今日読み終わったのは茨木のり子さんの『歳月』。旦…

読書日記 文鳥・夢十夜

憂鬱だったり不安だったり頭が自己嫌悪の嵐だったりする時も本を読む。 ここ数日読んでいるのは夏目漱石の『文鳥・夢十夜』 漱石のショートショート集といってもいいこの本は、頭の中にさまざまな想念が渦巻いてる時でも読みやすい。 とはいえやっぱり集中で…

読書日記 アンナ・カレーニナ

幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。 『アンナ・カレーニナ』を読み始めました。 今年読もうと思っていたものをやっと。 この書き出しが有名。 出版社によって訳も色々ですが、…

この小説、楽しく読んでいいの?

先週の日曜日、「贅沢な読書会」深緑野分さんゲスト回に参加してきました。 (この読書会については後でご説明します) 深緑さんは瀧井朝世さんの『偏愛読書トライアングル』という書評本を読んで知ったのですが、そこに書かれていた瀧井さんが深緑さんのデ…