幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。
『アンナ・カレーニナ』を読み始めました。
今年読もうと思っていたものをやっと。
この書き出しが有名。
出版社によって訳も色々ですが、それぞれどんな風に訳されているのかなぁと調べたところ、新潮社の「不幸のおもむき」の「おもむき」がいいなぁと思ってこの訳で読むことにしました。
人の不幸は蜜の味っていうけど、自分と関係ない不幸だから蜜の味なんだろうな。
自分の不幸とおもむきが同じ不幸だったら楽しめないだろうな、苦しいだろうな。
さて、どんな不幸のおもむきでしょう。
と思いつつ読み始めたけど、今のところ楽しく読んでいます。
つれないアンナにぐいぐい迫っていくヴロンスキー。
なかなか2人の話を進めず外堀を埋めるよう2人の周辺人物の話ばかりして、焦らすトルストイ。
不倫の小説ってなんでこんなに多いのかと思っていたけど、不倫を書くことによって恋の不可逆性が生々しく浮かび上がるのが読みどころなんでしょうか。
この作品の場合、宗教てき倫理観も絡んでいるような。
おもしろい。読み始める前はもっと難解なのかなと思ったけれど、恋愛小説として群像劇として楽しく読んでいます。