本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

履歴書代わりの偏愛本101選

ツイッターの読書アカウントをやっているとよくTL に「#名刺代わりの小説10選」というタグがついたツイートが流れてくる。

それぞれの好みがわかって面白いし、その中に自分の好きな本が入っていると他の本もきになったりする。

 

私もやったことあるけど、随分前だしなんの本をあげたか忘れたし、またやりたいなぁと思いつつも、10冊に絞るの面倒だし、そもそも小説しか選べないのがな…でも小説以外にも広げたらますます10冊なんかでは収まらんぞ…と思っていたところ、これまたツイッターで「読書の秋に読みたい書籍100選」という呟きが流れてきたので、100選ならできる!と選んで見ました。

どうしても削れなくて101選になったけど。読書の秋だけでなく、通年で読んで欲しい本だけど。101選では多すぎて名刺では収まらないし、名刺と呼べるほど周知されている本ばかりでもないので「履歴書代わりの101選」ということで。

 

しかしこの記事、全部書いてから公開しようとすると、きっと途中で心が折れてお蔵入りになる可能性があるので、101冊を23のジャンルに分けて、少しづつ書いては更新し、また書いては更新するというスタイルにしようと思います。

 

 

 

目次

 

1.恋やら愛やら

好きな恋愛小説については前の記事に書いたので今回はそれとは違ったセレクトを。と言いつつ『きなりの雲』は被らせる。これは外せない。

 

きなりの雲

大切な恋を失い、生きる気力さえ失くしたさみ子。だがある日、アボカドの水栽培をきっかけに彼女の気持ちに変化が生じる。古びたアパートの住人たちや編みもの教室の仲間との交流により、少しずつ心の中に射し込み始める光―。傷ついたからこそ見えたこと、失ったからこそ得たもの。第146回芥川賞候補作。

 

ふれられるよ今は、君のことを

高野楓(たかの・かえで)はやる気のない中学校教師。熱血教師が次々に心を病んで辞めていく教育の現場で、自分は常に適当に仕事をしてきたからこそ生き残れたのだ、という自覚がある。恋愛経験がなくもないが、なんとなく独り身できた。しかし最近、ひょんなことから、年下の彼氏を居候させている。センスがよく料理上手な彼との日常はたのしいが、困ったことがひとつ。この彼は、ちょくちょく姿をくらませてしまうのだ。

 

愛する人に。

うまくいかない恋愛のことを立ち止まって、考えて、歩き出すために―。Webで星占いを続ける中で、多くの読者から寄せられた相談に「返信」として綴る、愛についての16のテーマ。 

 

愛とためらいの哲学

なぜ、あなたの愛は幸福をもたらさないのか……。どれほど幸せな恋であろうとも、嫉妬や依存、失恋など、様々な要因により一転して苦しいものになってしまう。思うようにならない他者と生きるなか、幸福な愛とは、どうすれば実現が可能なのだろうか。大切なのは「いかに愛されるか」ではなく、「いかに愛するか」を学ぶことであると著者はいう。愛とは能力であり、技術であるというのだ。では、私たちはいかに人を愛するべきなのか。人を愛するというのは、そもそもどういうことなのか。アドラー、フロム、三木清など、多くの賢人たちの智恵を手掛かりに、アドラー研究の第一人者であり、ギリシア哲学を専門とする著者が語る、待望の恋愛論

 

愛するということ

人間砂漠といわれる現代にあり、〈愛〉こそが、われわれに最も貴重なオアシスだとして、その理論と実践の習得をすすめた本書は、フロムの代表作として、世界的ベストセラーの一つである。

 

 

 

2.友情

当方女なので、どうしても女の友情についての本に偏りがちですが。

スロウハイツの神様』についてはいろんな語り口があると思うけど、そのどれもに友情が混ざってくると思うの。

 

女ともだち〜ガール・ミーツ・ガールから始まる物語

『女ともだち──ガール・ミーツ・ガールから始まる物語』は、『日本のヤバい女の子』『百女百様』などの著書が多くの女性の支持を得たはらだ有彩さんが、小説、コミック、映画、アニメなどの物語のなかで描かれた「女性ふたり」の関係に注目し、「彼女たち」の物語を通して「私たち」に力強いエールを送ってくれるエッセイです。 女同士の関係が「取るに足りない、いつかは終わる関係」「べたべたした、あるいは反対に足を引っ張りあう関係」「キュートなコンテンツとして消費すべき関係」などと決めつけられ・揶揄され・軽んじられがちな風潮のなかで、既存のテンプレートでは語れない、名前を付けて掬い取ることができない「ふたり」の豊かな関係──さまざまな、だからこそ幸福でかけがえのない「彼女たちと私たち」のエンドロールを辿りながら、勇敢に、自由に生きる支えとなるいくつもの言葉を、この本から受け取ってください。

 

メロスのようには走らない。−女の友情論−

独身と既婚の間の溝、年を重ねるにつれて広がる経済力の差、見た目の美醜格差、女友だちに抱く優越感、劣等感、嫉妬…。北原みのりの書き下ろしエッセイ!「女友だち」の新しいカタチ。

 

友だち幻想
友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。人と人との距離感覚をみがいて、上手に“つながり”を築けるようになるための本。
 
踊る彼女のシルエット

義母が営む喫茶店を手伝う佐知子と芸能事務所でマネージャーをする実花。
出会ってから十六年。趣味にも仕事にも情熱的な実花は、佐知子の自慢の親友だった。
だが、実花が生み育てたアイドルグループが恋愛スキャンダルで解散に追い込まれたのをきっかけに、彼女は突然“婚活"を始める。
「私には時間がないの」と焦る実花に、佐知子は打ち明けられないことがあり……。
幸せを願っているのに、すれ違ってしまう二人が選ぶあしたとは。
揺れうごく女の友情を描く長編小説、待望の文庫化。

 

スロウハイツの神様

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ――あの事件から10年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

 

 

 

3.家族

家族というゆるいつながりの話だったり、家族という呪いだったり血のつながりから解き放たれる話だったり、友情や愛情の延長で家族になる話だったり。

 

流しのしたの骨

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな`小さな弟'律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

 

冬至まで

南英の小村に独り移り住んだ62歳の元女優エルフリーダは、教会のオルガン奏者オスカーの家族と親しくなるが、突然の悲劇が彼を襲う。エルフリーダは、立ち直れないオスカーのために、彼のゆかりの地スコットランドにともに旅立つことを決意する。自立し、キッと前方を見つめて、さわやかな強風のような印象を与えるエルフリーダ。“人生の災難を耐えやすくするには笑いとばすにかぎる”を信条に、いつもユーモアを忘れず、みずから悲哀と苦悩を知るがゆえの優しさを合わせ持つ。家族愛、ユーモア、優しさ。ピルチャーのなつかしい世界が帰ってきた。静かに輝きながら繰り広げられる物語のタペストリー。円熟の筆になる感動の傑作長編。

 

偽姉妹

私、お姉さんたちとは別に、姉妹になりたい人ができたの――まったく新しい家族のつくり方を模索する、山崎ナオコーラのポップで自由な家族小説!
あるとき3億円の宝くじが当たった真面目で地味な正子(35歳)。
当せん金で『屋根だけの家』という風変わりな家を建て、イケメンの夫・茂と息子の3人で暮らしていたが、茂の浮気で離婚。
シングルマザーになった正子は、姉妹の衿子・園子と暮らすことに。ただ、姉妹同士の共同生活に息苦しさを感じはじめた彼女は、奇想天外なアイディアを思いつく。
結婚に〝離婚〟があるのなら、姉妹だって別れたり、新たに作ったりしていいのでは――?
まったく新しい姉妹像から、現代の家族観を揺さぶる、山崎ナオコーラのポップで自由な家族小説。

 

あのひとは蜘蛛を潰せない

頭ん中に、自分を責める化け物みたいなもんが出来ちゃってんだ

28歳。恋をして実家を出た。母の〝正しさ〞からも、離れたい。「かわいそう」を抱えて生きる人々の、狡(ずる)さも弱さも優しさも余さず描く物語。

ドラッグストア店長の梨枝は、28歳になる今も実家暮し。ある日、バイトの大学生と恋に落ち、ついに家を出た。が、母の「みっともない女になるな」という“正しさ"が呪縛のように付き纏う。突然消えたパート男性、鎮痛剤依存の女性客、ネットに縋る義姉、そして梨枝もまた、かわいそうな自分を抱え、それでも日々を生きていく。ひとの弱さもずるさも優しさも、余さず掬う長編小説。

 

きみは知らない

「日曜日は一週間のうちの一日にすぎない。でも、そうでない日曜日もある」
十一歳の少女ユジの失踪をきっかけに、次第に明るみになっていく家族それぞれの秘密。
一人ひとりのアイデンティティの揺らぎや個々に抱えた複雑な事情、その内面を深く掘り下げ、現代社会と家族の問題を鋭い視点で緻密に描いた長篇作。
ソウルの江南を主な舞台としつつ、在韓華僑のほか中国朝鮮族なども題材に、地勢的にも幅を広げて描くなかで、社会の隅で孤独を抱えながら生きる多様な人びとの姿をあぶり出していく。
韓国で大きな反響を呼んだ話題作、ついに日本上陸!

 

 

 

4.詩

心の奥が、静かに凪いでいく詩を好みます。

 

luce−なかむらてつや詩画集

 

 

茨木のり子詩集

 

 

ポケット詩集

昔の少年は詩をよく読んだものだ。それも、とびきり上等の詩ばかりを、だ。そしてよく考え、「足る」を知った。みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい。

 

活発な暗闇

昔の少年は詩をよく読んだものだ。それも、とびきり上等の詩ばかりを、だ。そしてよく考え、「足る」を知った。みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい。

 

 

 

5.短歌

短歌にはまりだしたのは『あなたと読む恋の歌百首』『回転ドアは、順番に』からでした。

 

あなたと読む恋の歌百首

出会い、初デート、新生活から失恋、別離まで。満ち足りた幸せいっぱいの恋があれば、心が張り裂けそうな辛い恋もある。
伊藤左千夫若山牧水石川啄木北原白秋、佐々木信綱、与謝野晶子岡本かの子中城ふみ子寺山修司穂村弘――。新旧百人の歌人たちがうたった百首の恋の歌を俵万智が選んで、自己流の解釈が添えられた、ユニークな短歌鑑賞かつ恋愛手引きの書。何度も読み返したくなる、宝石箱のような一冊である。

 

回転ドアは、順番に

ある春の日に出会って、ある春の日に別れるまでの、恋愛問答歌。短歌と、そこに添えられた詩のような断章で、男と女、ふたりの想いがつづられる。紡ぎ出された言葉のひとつひとつが、絡み合い、濃密な時間を作り上げていく。短歌界注目のふたりによる、かつてないほどスリリングで熱い言葉の恋愛。

 

食器と食パンとペン
人気イラストレーターが現代歌人の短歌をモチーフに描く、ふうわりとあなたの毎日に寄り添う短歌×イラストのコラボレーション。
 
たんぽるぽる

 

100年後あなたもわたしもいない日に

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「自由闊達にして緩急自在の線を引く寺田マユミのイラスト。 そして抽象と具体のあわいを妙と詠む土門蘭の短歌。 そんなふたりが出会って、歌集でもあり、画集でもある本ができました」 『100年後あなたもわたしもいない日に』は、〝トリミング〟をテーマにした短歌とイラストの本です。 日常の風景を言葉と絵で切り取り、掛け合わせ、一首ごとに新しい構図から世界を見るような仕掛けを作りました。 表紙がトリミングされる小窓付の函、切り抜かれた紙面、自由に遊ぶ活字。 ページをめくるごとに本を読むという楽しさを存分に味わっていただける一冊です。

 

 

 

6.自由律俳句、川柳

俳句も読みますが、季語のない川柳とか定型にとらわれない自由律俳句の方が好み。

山頭火はいろんな場所へ旅して各地で様々な句を作り、放哉はずっとひとところに留まり句と詠み続け、と対称的で読み較べるのが楽しい。

林ふじをは句数は少ないけど、ずっと読んでいられる。読んでも読んでも尽きることがない。体が弱く自分で産んだ子の面倒を自分で見られないという哀切が胸に響く。

 

山頭火俳句集

種田山頭火(1882-1940)は、自由律俳句の代表的な俳人荻原井泉水門下の秀才として知られたが、出家して托鉢行乞の僧となる。漂泊と隠遁の旅を繰り返し、酒に溺れながら、深い内省から自然を見詰めた俳句を作り続けた。その句は、日本人に親しまれるだけでなく、世界の偉大な巡礼詩人の一人として、広く愛読されている。

 

尾崎放哉俳句集

 

林ふじを句集 川柳みだれ髪

夭折の女流川柳作家・林ふじをの、愛と憎、生と死の156句が、今ふたたび強烈な輝きを放ちはじめる!
没後55年を経て、国文学者・復本一郎氏の監修の下、待望の書籍化。
復本氏に、
「川柳という文芸を通して、間違いなく「ニッポン」を変える可能性を持っていた女性の一人に数えることができるであろう」
(“監修者の一言"より)
と評される林ふじをの、時代を先取りした女性川柳の醍醐味と魂の叫びをご堪能ください。

 

 

7.百人一首万葉集

百人一首が好き。中学の国語の授業で百人一首に出会ってからわたしの和歌好き短歌好きが始まったんだろうなぁ。

何百年も前の人に共感できるというのもすごいし、中学生でもその心情を理解し夢中になってしまうといのもすごい。

令和ブーム(?)に乗って万葉集もかじって見たけどこちらも面白かった。いつか古今和歌集にも手を出したい。

 

百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

天智天皇紫式部西行藤原定家――。日本文化のスターたちが繰り広げる名歌の競演がスラスラわかる! 歌の技法や文化などのコラムも充実。旧仮名が読めなくても、声に出して朗読できる決定版入門。

 

百人一首という感情

記憶が歴史に変わっていく中で消されていった「感性のまたたき」
―― 100の「エモい」を大解剖。

映画、展覧会、WEB、広告、音楽…あらゆる場所へことばを届け、
新しい詩の運動を生み出し続ける詩人・最果タヒ

清川あさみとの共著『千年後の百人一首』で挑んだ現代語訳では、
千年前から届いた百の思いにどう向き合い、
胸に刺さる詩のような新訳が生まれたのか?

 

百人一首ノート

学生から、もう一度百人一首の世界にふれたい大人まで。
漫画家・今日マチ子が、一首いちまいで、百人一首の和歌から自由に解釈して素描。全百首オールカラー。
雑誌「ダ・ヴィンチ」連載に描き下ろしを多数追加して書籍化。

 

万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

日本最古の歌集から名歌約一四〇首を厳選。恋の歌、家族や友人を想う歌、死を悼む歌。天皇や宮廷歌人をはじめ、名もなき多くの人々が詠んだ素朴で力強い歌の数々を丁寧に解説。万葉人の喜怒哀楽を味わう。
さまざまな階層の人々が自らの心を歌ったわが国最古の歌集「万葉集」から名歌約140首を選び丁寧に解説。参考歌を含めて約200首を収録。参考情報を付しながら、歌に託した万葉人のさまざまな思いがよくわかるように構成。原文も現代語訳も総ルビ付きで、朗読にも最適。

 

妄想とツッコミでよむ万葉集

日本最古の歌集から名歌約一四〇首を厳選。恋の歌、家族や友人を想う歌、死を悼む歌。天皇や宮廷歌人をはじめ、名もなき多くの人々が詠んだ素朴で力強い歌の数々を丁寧に解説。万葉人の喜怒哀楽を味わう。
さまざまな階層の人々が自らの心を歌ったわが国最古の歌集「万葉集」から名歌約140首を選び丁寧に解説。参考歌を含めて約200首を収録。参考情報を付しながら、歌に託した万葉人のさまざまな思いがよくわかるように構成。原文も現代語訳も総ルビ付きで、朗読にも最適。

 

 

8.ミステリ

ミステリの名作をあらかた読んでいてすごい詳しい人になぜか憧れがあります。

何でしょう。自分の好きなもの好きな分野を追求してる感じがかっこいいのかな。

わたしはまだまだミステリに詳しくないし、それなりに読んできて「これは面白い!」と思ったものを。

一部これはミステリなのか…?というのもありますが。

 

アクロイド殺し
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

 

ジェゼベルの死

 

秘密

翻訳ミステリー大賞・読者賞ダブル受賞 少女ローレルは庭のツリーハウスから、見知らぬ男が現われ母ドロシーに「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と話しかけるのを見た。そして母はナイフで男を刺したのだ。男は死んだが、ローレルは目撃したすべては話さず、事件は多発していた強盗事件のひとつとされ、母の正当防衛が認められた。50年後、女優となったローレルは、死の床にある母の過去を知りたく思う。古い写真に母と映る美しい女性は誰? あの事件は何だったのか?

 

レベッカ

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり……。

 

絃の聖域

長唄人間国宝の家元、安東家の邸内で女弟子が殺された。芸事に生きる親子、妾、師弟らが、三弦が響き愛憎渦巻くなかで同居している閉ざされた旧家。家庭教師に通っている青年、伊集院大介の前で繰り広げられる陰謀そして惨劇。その真相とは!? 名探偵の誕生を高らかに告げた、栗本薫ミステリーの代表作!

 

 

9.SF

SFも詳しい人をかっこいいと思ってしまうジャンル。でもミステリと違ってちょっと敷居が高い。あんまりサイエンスされると途端に目が滑り出して白目剥いちゃう。

わたしが好きなのはあんまりサイエンスしてなくて少し不思議ぐらいのもの。

ここでも一部これはSFか…?というのがありますが。

 

紙の動物園

香港で母さんと出会った父さんは、母さんをアメリカに連れ帰った。
泣き虫だったぼくに母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった……。
ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作など、
第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から7篇を収録した胸を打ち心を揺さぶる短篇集。

 

わたしたちが光の速さで進めないなら

打ち棄てられたはずの宇宙ステーションで、その老人はなぜ家族の星への船を待ち続けているのか……「わたしたちが光の速さで進めないなら」

初出産を控え戸惑うジミンは、記憶を保管する図書館で、疎遠のまま亡くなった母の想いを確かめようとするが……「館内紛失」

行方不明になって数十年後、宇宙から帰ってきた祖母が語る、絵を描き続ける異星人とのかけがえのない日々……「スペクトラム

今もっとも韓国の女性たちの共感を集める、新世代作家のデビュー作にしてベストセラー。
生きるとは? 愛するとは<? br> 優しく、どこか懐かしい、心の片隅に残り続けるSF短篇7作。

 

瞬きよりも速く

暑い夏の夜、妻とマジック・ショーに出かけたわたしは、舞台に上げられた男が自分そっくりであることに気づく。彼は女魔術師により、身につけたものを目にも止まらぬ早業で奪われていった…奇妙なできごとをシニカルに描いた表題作『瞬きよりも速く』、夜ごと庭に現れる若い女への揺れる心情を綴る『芝生で泣いてる女』、三人の偉大な作家に捧げるレクイエム『最後の秘跡』など、詩情に満ちた21の短篇を収録した傑作集。 

 

マジック・フォー・ビギナーズ

電話ボックスを相続した少年は、その番号に何度もかけてみる。誰も出るはずのない電話だが、あるとき彼が愛するTVドラマの主人公が出て、助けを求めてきた―異色の青春小説たる表題作ほか、国をまるごと収めたハンドバッグの遍歴を少女が語る「妖精のハンドバッグ」、なにかに憑かれた家を買った家族の騒動を描く「石の動物」など、アメリカ文学の新潮流をかたどる女性作家による瑞々しくも不思議な感触を残す全九篇。 

 

10.イヤな話コワい話

じんわりイヤな気持ちになる話や、ゾワッと怖くなる話って何故か時々読みたくなります。そういう話も読んでなにかのバランスを取ろうとしているのでしょうか。

 

待っていたのは

現実の背後にひそむもう一つの世界。そこに仕掛けられた罠にひとたび絡めとられたが最後、もはやなす術はなく、ただ終局的な破滅を「待っている」ほかはない…。日常の裏側の世界の陥穽にはまってしまったものの恐怖と苦悩を描く表題作のほか、寓意と幻想にみちた15の物語。 

 

人形

島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。海辺で発見された謎の手記に記された、異常な愛の物語「人形」。独善的で被害妄想の女の半生を独白形式で綴る「笠貝」など、短編14編を収録。平凡な人々の心に潜む狂気を白日の下にさらし、人間の秘めた暗部を情け容赦なく目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られるサスペンスの名手、デュ・モーリアの幻の初期短編傑作集。

 

壜の中の手記

ビアスの失踪という米文学史上最大のミステリを題材に不気味なファンタジーを創造、エドガー賞に輝いた「壜の中の手記」、無人島で発見された奇怪な白骨に秘められた哀しくも恐ろしい愛の物語「豚の島の女王」など途方もない奇想とねじれたユーモアに満ちた語り/騙りの天才カーシュの異色短篇集。「凍れる美女」「壁のない部屋で」の新訳2篇、「狂える花」ロング・ヴァージョンを収録した新編集版。 

 

消えた心臓

異教信仰の研究者が自らの計画のために歳の離れた従兄弟の少年を引き取る「消えた心臓」。スウェーデンのある地方で発見した古文書のなかに記された“黒の巡礼”から戻った人物の来歴を探る「マグヌス伯爵」など9篇を収録。「英国が生んだ最高の怪談作家」ジェイムズの傑作短篇集。

 

八月の暑さのなかで

英米ホラー小説に精通した訳者自らが編んだアンソロジー。 E.A.ポー、サキ、ロード・ダンセイニフレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなど、短編の名手たちによる怖くてクールな13話。全編新訳。

 

 

 

11.長い話

まとまったお休みの時、読んでも読んでも終わらない本が読みたい!となりませんか。どっぷり長時間本の世界に浸れるおすすめ長い話です。

 

サラバ!

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。 

 

蒼穹の昴

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシゥ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を宿命の覇道が待ち受ける。万人の魂をうつベストセラー、待ちに待った合本で登場!

 

風と共に去りぬ

アメリカ南部の大農園〈タラ〉に生まれたスカーレット・オハラは16歳。輝くような若さと美しさを満喫し、激しい気性だが言い寄る男には事欠かなかった。しかし、想いを寄せるアシュリがメラニーと結婚すると聞いて自棄になり、別の男と結婚したのも束の間、南北戦争が勃発。スカーレットの怒濤の人生が幕を開ける――。小説・映画で世界を席巻した永遠のベストセラーが新訳で蘇る!

 

暗黒館の殺人

蒼白い霧の峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登(うらど)家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴……。著者畢生(ひっせい)の巨編、ここに開幕!(全四巻)

 

 

 

12.韓国文学

翻訳小説を読んでる人ってなんかオシャレでかっこいいなぁという不純な動機から同時代の翻訳小説に手を出してきて、それなりに面白いものに 出会ってきたけども、そこまで「この国の小説が好き!」といえるまでにはならなかった。でもそれも韓国文学に出会うまで。韓国文学すごい好きです。

悲哀やそこに混ぜるユーモアの書き方が絶妙で、痛みや悲しみを韓国文学ほど上手に書いてくれる文学はないと思っているほど。

韓国文学を読んだとのない人にぜひ読んで見て欲しい小説、作家さんをご紹介します。

 

フィフティ・ピープル
痛くて、おかしくて、悲しくて、愛しい。

50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。
韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。
韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。

 

ギリシア語の時間

ある日突然言葉を話せなくなった女。
すこしずつ視力を失っていく男。

女は失われた言葉を取り戻すため
古典ギリシャ語を習い始める。
ギリシャ語講師の男は
彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。

ふたりの出会いと対話を通じて、
人間が失った本質とは何かを問いかける。

 

亡き王女のためのパヴァーヌ

「電球が切れたように、ある日突然、光がなくなったんだ。そのとき、わかったんだよ。 人間の魂はこのフィラメントみたいなものだってことが。どんな美人でも……そこが消えたらおしまいなんだ。誰にとっても、愛されてるのとそうでないのとの差は、光と闇の差くらい大きいものなんだよ」
この世界に どことなく馴染めない三人の男女。それぞれの過去、現在、そして生き続けることの軌跡を描いた、魂の喪失と再生の物語。

 

誰でもない

それが必要だった。
すべてのものが消えてゆくこのときに。
暗闇を水平線で分ける
明かりのようなものが――

デビュー以来、作品を発表するごとに注目を集め、
「現在、最も期待される作家」として挙げられることが多い
ファン・ジョンウンが、2016年末に発表した最新の短編集。
恋人をなくした老婦人や
非正規労働で未来に希望を見出だせない若者など、
“今”をかろうじて生きる人々の切なく、
まがまがしいまでの日常を、
圧倒的な筆致で描いた8つの物語。

 

 

13.芥川賞

芥川賞の候補作を発表日までに読んで受賞作を予想する、というのをもう5年ほど続けています。何年も続けていると、「この人初ノミネートだけど、これ受賞するんじゃない?」とか「この人の前の候補作面白かったから期待!」とか「この人もう何度もノミネートされてるからそろそろ受賞しないと危ないのでは…」など色々思うことが出てきて楽しいです。

そんな風に読んできた中で印象に残っている受賞作&候補作を。

 

コンビニ人間

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

 

百年泥

豪雨が続いて百年に一度の洪水がもたらしたものは、圧倒的な“泥"だった。南インド、チェンナイで若い IT 技術者達に日本語を教える「私」は、川の向こうの会社を目指し、見物人をかきわけ、橋を渡り始める。百年の泥はありとあらゆるものを呑み込んでいた。ウイスキーボトル、人魚のミイラ、大阪万博記念コイン、そして哀しみさえも……。新潮新人賞芥川賞の二冠に輝いた話題沸騰の問題作。

 

死んでいない者

通夜のために集まった親族たちの一夜のふるまい、思い、記憶――傑作の誉れ高い第154回芥川賞受賞作。滝口悠生の代表作を文庫化!

 

雪子さんの足音

東京に出張した薫は、新聞記事で、大学時代を過ごしたアパートの大家・雪子さんが、熱中症でひとり亡くなったことを知った。
20年ぶりにアパートに向かう道で、彼は、当時の日々を思い出していく。

人間関係の襞を繊細に描く、著者新境地の傑作!

第158回芥川賞候補作。

 

 

14.文豪たち

文豪と呼ばれるような人たちの中では夏目漱石が好きで、新潮文庫で出ているものは全部読みました。漱石って学者さんとか研究者に好きな人が多いイメージがあります。太宰治は作家さんに多いイメージ。谷崎潤一郎江戸川乱歩は変態に…。

文豪同士のエピソードや対立関係の話も好きです。

 

親友の安井を裏切り、その妻であった御米(およね)と結ばれた宗助は、その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても積極的解決に乗り出すこともなく、社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。

 

ろまん燈籠

小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった「ろまん燈籠」。
太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との画面から定着させた「新郎」「十二月八日」。
日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。

 

細雪

大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

 

芋虫

両手両足を失い、話すことも聞くこともできない帰還軍人の夫。時子は一見献身的に支えながら、実は無力な生き物扱いをし楽しんでいた、ある日時子の感情が爆発し……。表題作をはじめ9本収録。

 

文豪お墓まいり記

終戦前夜の岡山で谷崎潤一郎は牛肉を手に入れ、敬愛する永井荷風を精一杯にもてなした。

森鴎外に憧れていた太宰治の墓は、鴎外の斜め向かいに建てられた。

生涯独身だった深沢七郎は、自分の葬式用に、自らお経をテープに吹き込んだ。

中島敦太宰治澁澤龍彦幸田文夏目漱石、そして深沢七郎まで。

現代の人気が、26人の昔の作家に会いに行く。親しい人と一緒に、時には一人で。

電車に乗り、最寄り駅で降りて花を買い、ついでに食事処でお腹を満たし、

そしてお墓の前へ。墓の中の人と存分に語り合えば、自分の生き方も見えてくる――

楽しく豊かな墓参り案内&文豪人生ガイド!

 

 

15.アンソロジー

前にもこちらのブログに書きましたが、アンソロジーって「どんな出会いがあるかわからないけど、きっといいものがある」という予感がしてわくわくします。

知らない作家さんの作品を読むのは一冊だとちょっとヘビーだけど、アンソロジーに入ってるもの一作だと挑戦しやすいのも魅力。

 

少女少年小説選 昨日のように遠い日

まさに怖るべき子どもたち。世界中、あらゆる時代、国から選りすぐったユニークな名作・逸品が勢ぞろい。カラー漫画折込付録も

 

短篇小説日和−英国異色傑作選

短篇小説はこんなに面白い。十八世紀半ば~二十世紀半ばの英国短篇小説のなかから、とびきりの作品ばかりを選りすぐった一冊。ディケンズグレアム・グリーンなど大作家の作品から、砂に埋もれた宝石のようにひっそりと輝くマイナー作家の小品までを収める。空想、幻想、恐怖、機知、皮肉、ユーモア、感傷など、英国らしさ満載の新たな世界が見えてくる。巻末に英国短篇小説論考を収録。 

 

愛について−On Love

平和の中でこそ、子どもたちは、子どもらしく生きられる。いわさきちひろの絵は、私達にそう語りかけてくる。心あたたまる秀作、特に今まであまり取り上げられなかった素描を中心に編んだ画集。

 

 

16.エッセイ

エッセイは小説を読むまでの元気はないけど何か読みたい…というちょっと疲れ気味の時に手に取りたくなります。

ここも絞るのが難しかった。本当は須賀敦子とか向田邦子も入れたかったけど、どの本が好きと明確に言えるものがないので今回は除外…。

 

小学生日記

母と行くフリマのこと、両親の離婚、学校でのいじめ、新生活に戸惑う兄……。モデルとして、女優として、そして一人の小学生として。まっすぐでナイーブな感性が光る、天才作文家・hanae*ちゃん、瞠目の第一作文集!

 

富士日記

武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間の一瞬一瞬の生を、澄明な眼と無垢の心で克明にとらえ天衣無縫の文体でうつし出す、思索的文学者と天性の芸術者とのめずらしい組み合せのユニークな日記。昭和52年度田村俊子賞受賞作。 

 

からだとはなす、ことばとおどる

わたしのからだ〉の声を聴く

「あたりまえに失われる毎日をひきとめたいと書くことは、だいそれた望みと思う」ふれる、うたう、なく、わすれる、きく……身体と心を言葉でとりむすぶ、22篇。

「なんだか、生きてるなと思う。きのうきょうと、びっくりするくらい生きてるなと気がついて、だれもいない女湯でふとももを揺らした。はだかで泣くと、とても軽い。赤ん坊というのは、もっとも勇敢な生きものだな。あんなにちいさくて、だれとも知らずに泣いているんだから」(「きる」より)

 

ヒヨコノアルキカタ

わたしのからだ〉の声を聴く

「あたりまえに失われる毎日をひきとめたいと書くことは、だいそれた望みと思う」ふれる、うたう、なく、わすれる、きく……身体と心を言葉でとりむすぶ、22篇。

「なんだか、生きてるなと思う。きのうきょうと、びっくりするくらい生きてるなと気がついて、だれもいない女湯でふとももを揺らした。はだかで泣くと、とても軽い。赤ん坊というのは、もっとも勇敢な生きものだな。あんなにちいさくて、だれとも知らずに泣いているんだから」(「きる」より)

 

旅する木

あの頃、ぼくの頭の中は確かにアラスカのことでいっぱいでした。まるで熱病に浮かされたかのようにアラスカへ行くことしか考えていませんでした――。広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカ。1978年、26歳でアラスカに初めて降り立った時から、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々が続いた。その中で出会ったアラスカ先住民族の人々や、開拓時代にやってきた白人たちの生と死が隣り合わせとなった生活。それらを静かでかつ味わい深い言葉で綴った。

 

17.絵本

絵本って子供の頃より大人になってからの方がよく読んでいるような。絵がある分なのかより世界に没入できるとこが好きです。なのでお話よりも絵重視な傾向が。

 

きょうはそらにまるいつき

夕暮れの公園で、乳母車の中から赤ちゃんが空を見ています。東の空から、まんまるい月がのぼってきました。
バレエの練習から帰る女の子や、新しい運動靴を買った男の子、仕事が終わった洋裁店の親子や、ギターの練習をしている人、夕食のかたづけをするおじいさんとおばあさん。町に暮らす人たちも、ふと見あげた空にまるい月をみつけます。
公園にあつまった猫たち、山にいる熊の親子、海でジャンプするクジラの上にも、まるい月が輝いています。
それぞれの人が暮らす、それぞれの場所に、やさしい光がふりそそぐ夜。町の公園では、にぎやかなお祭りがはじまりました。

 

きみはうみ
きみはうみ (Switch library)

きみはうみ (Switch library)

Amazon

作家、西加奈子が描く、「海」をテーマにした絵本。たくさんの「不思議」に満ちた海で、主人公が、大きな「発見」をしていくストーリー。その結末は味わい深く、子どもはもちろんのこと、大人が読んでも、心揺さぶられる傑作絵本。


美しいなぁ、素敵だなぁ、そう思いながら描いたこの絵本の、主人公は私かもしれないし、あなたかもしれない。とにかく、生きているだけで尊い何かだ。
ーー西加奈子(あとがきより)ーー

 

あんぱんまん

 

「の」はいつも、ことばとことばのすきまにこっそりいます。でも、ふだんは目立たない、この「の」には不思議な力があったのです。その不思議な力がことばをつなぎ、ことばとことばが思いがけない出会いをはたしたとき、そこには見たこともない景色があらわれ、聞いたこともない物語がはじまります。「わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の いちばん上のながめのよい部屋の 王さまのキングサイズのベッドの……」。「の」は「わたし」と「王さま」を、「猫」と「太陽」を、「ここ」と「あそこ」を、「いま」と「むかし」を、そして、「あなた」と「わたし」をつなぎます。「の」は「ことば」と「ことば」をつなぐことで、「物語」と「物語」、「世界」と「世界」を橋渡しし、そうしてつながった、物語や世界は、それぞれがかぎりないひろがりを持っています。さあ、この絵本を開いて、不思議な「の」が導く、終わらない旅に出かけてみませんか。

 

 

18.YA

子供の頃に絵本を読んだ記憶はあまりないけど、YAならある。だから絵本よりもうちょっと年齢がいってから、小学生ぐらいから本を沢山読み始めたんでしょうね。『エルマーとりゅう』とかかいぞくポケットシリーズとか。

でもここに挙げたのは大人になってから読んだ本ですが。

YAって海外の方がいい作品多い気がする。私が知らないだけで、日本にもいいのあるのかな。

 

イマジナリーフレンドと

見えない友だちの奮闘記

想像上の見えない友だち、イマジナリーフレンド。
この作品では、ある少女が想像したジャックという少年が主人公。
イマジナリーフレンドである自分の存在を自問自答し、自分を想像してくれた少女から離れて、様々な子ども達のイマジナリーフレンドを経験していくという新感覚のストーリー。リアルな生活の隣にあるファンタジーを軽妙に描きながら、最後は心震わすあたたかなエンディングをむかえる成長物語です。 

 

すももの夏

休暇に訪れたフランスで、母が入院し、子どもたちだけでホテル暮らしをすることになったイギリス人の私たち。背伸びをしたい年頃の私たちは、イギリスでは会ったこともない人々と過ごし、大人の世界の裏側をかいま見、とんでもない事件にまきこまれていく。作者ゴッデンの体験に基づいて書かれた、ロマンスとミステリーに彩られた初期の傑作。

 

エブリデイ

目覚めたら、すぐに「自分がだれか」を把握しなければならない。なぜなら、Aは毎朝、違う人物のからだの中で目覚めるから。共通点は、からだを借りる相手はかならず16才だということ。16才なら、男でも女でもあり得る。住んでいる場所がメリーランド州の一定範囲内であること。からだを借りるのは、一日だけであること。そして、二度と同じ人物にはならないこと。肉体も名前も持たない彼/彼女は、自分のことを「A」とだけ、呼んでいる。

 

十一月の扉

双眼鏡の中に、その家はふいにあらわれた。十一月荘――偶然見つけた素敵な洋館で、爽子は2ヵ月間下宿生活を送ることになる。十一月荘をとりまく、個性的ながらもあたたかい大人たち、年下のルミちゃんとのふれあい、耿介への淡い恋心・・・・・・そして現実とシンクロする、もうひとつの秘密の物語。 「迷うようなことがあっても、それが十一月なら前に進むの」。十一月の扉を開いた爽子を待ち受けていたのは・・・・・・。

 

 

19.女であること

いつからかフェミニズムに興味を持ち始めて、これまで色々な本を読みました。読んでも読んでも知らなかったことばかりで、気づかなかった理不尽で納得のいかない世の中の仕組みがゴロゴロ出てくる。女性たちがどんな風に変えてきたのか、今も変わらないそれらとどう向きあっているのか。まだまだ知りたいことが沢山です。

 

女たちのテロル

どん底の境遇から思想を獲得し、国家と対決した金子文子。武闘派サフラジェット、エミリー・デイヴィソン。イースター蜂起のスナイパー、マーガレット・スキニダー。百年前の女たちを甦らせ未来へ解き放つ、三つ巴伝記エッセイ!

 

失われた賃金を求めて
『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』で会話マニュアルという斬新な方法でフェミニズムを提言、日本の読者にも鮮烈な印象を与えたイ・ミンギョンが、男女の賃金格差に斬り込んだ痛快エッセイ。「韓国で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」、この大きな問いを掲げ格差の要因を一つ一つ徹底的に追求しています。 ガラスの天井、キャリア断絶、M字カーブ、試験での点数操作、昇進での差別、着飾り労働、感情労働など、まさに日本のことを描いているような韓国の社会事情、働く日本女性にぜひ読んでいただきたい内容です。

 

彼女の名前は
女性たちは立ち上がる。「次の人」のために。
セクハラにあった女性が戦い続けるわけとは?地下2階の部屋に住む女子生徒の悩みとは? 60人余りの女性へのインタビューを元に書かれ、『82年生まれ、キム・ジヨン』に続いて2018年に発表した作品。
暮らしのなかで感じる不条理に声を上げ、自分だけでなく「次の人」のために立ち上がる女性たちの、胸を打つ28編の物語。

 

真面目に生きるって損ですか?

◉鮮烈なデビュー作『女子をこじらせて』から5年。 対談集『だって、女子だもん!!』から4年。 雨宮まみが、今度は、崖っぷちに立つ女子たちの愚痴を真っ向から受け止めます。 彼氏ができないのは「努力が足りないから」だと言われ続け、「努力っていったい何なんだよ !?!?」と吐き出す20代後半の女性。 家事も子育て、さらには仕事も完璧にこなしているのに、夫から愛されない。「もう頑張れない」とつぶやく30代後半の女性。 小沢健二似の美しい元彼との恋愛でズタズタになっても、やっぱり「美しい人」に惹かれてしまう20代前半の女性。 努力、恋愛、見た目、生き方──、20代、30代の女子たちが抱える人生の愚痴15編。 ◉ウェブサイト「ココロニプロロ」の超人気連載、雨宮まみの「穴の底でお待ちしています」の書籍化。

 

寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤは何だと言うのか

「めっちゃ刺さる」「腑に落ち過ぎる」と人気のコラムニスト初書籍! 女のしんどい毎日がラクになるメッセージと本をお届けします。 【登場書籍リスト(一部抜粋)】『ここは退屈迎えに来て山内マリコ/『生きがいについて』神谷美恵子/『ピンヒールははかない』佐久間裕美子/『生きて行く私』宇野千代/『サンクチュアリ』著:ウィリアム・フォークナー、訳:加島祥造/『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ梯久美子/『待つ力』春日武彦 など

 

20.哲学

哲学もフェミニズムと同じくずっと興味を持ち続けている分野です。もともと人と自分との考え方の違いというのに興味があって、そこから派生して哲学の勉強をするようになった気がします。

読めば読むほど自分には考えもつかないようなことや世界像が出てきて、「よくこんなに難しい方に難しい方にを考えられるものだなぁ」と思うこともあれば、自分が難しく考えていただけで本当はもっとシンプルに捉えていいものなんだと思わされたり。哲学って面白いです。

 

ソフィーの世界

いま、ふたたび自分の存在を問い直すときがきた

14歳の少女ソフィーのもとに見知らぬ人物から届いた手紙。そこにはたった1行「あなたはだれ?」とだけ書かれていた……。本書が発行された1995年、日本では阪神・淡路大震災地下鉄サリン事件が相次いで発生し、人々は命の価値と自らの存在意義を模索した。そしていま、未曾有の災害が日本を襲った。「哲学」は私たちの生きる道を照らすためにある。世界50か国1500万人超が読んだ名作が、著者の新たなメッセージを加えて再登場!

 

その悩み、哲学者がすでに答えを出してます

「将来が不安」「お金がほしい」「死ぬのが怖い」
これらの現代人の悩みははるか昔から私たちを苦しめていた人類共通の悩みです。

であるならば、哲学者や思想家と呼ばれる、思考そのものを生業とする人たちが、これらの悩みに答えを出しているはずです。

平易な言葉で哲学を学べて、あなたの悩みが解決します。

 

考える教室 大人のための哲学入門
理解したかった哲学書が「読める」ようになる!
プラトンから吉本隆明まで。あの哲学者たちが遺した言葉を読み解く秘義とは。「対話する」「考える」「働く」「信じる」という身近なテーマから、あなたの中にある「私の哲学」を見つけていく。人生にとって一番重要な「問い」とは何か。いま最も注目される批評家が贈る、生きるために本当に必要な哲学の教室。

 

幸福の哲学

幸福であることを願わない人はいないはずなのに、なぜ、ほとんどの人は幸福感を得ることができないのか? アドラー心理学と専門のギリシア哲学の知見を基に深く、深く考え抜いた上での著者の最終回答がここに。幸福になるための鍵は、ちょっとした気づき、視点の転換にある。人間が幸福になるための有益なヒントが満載。「本書を読めば、幸福はどこか遠くに探しに行かなくても、初めからここにあったことがわかるでしょう」。

 

 

21.心理学

心理学に興味を持ち始めたのも哲学から派生してでしたが、哲学は自分の頭を拡張するための冒険心に満ちたものなら、心理学は自分の内面を理解し居心地の良いものにするために整えるものであるような気がします。

心理学にも色々あるんでしょうけど、冒険よりも今居る場所の地盤を固め癒しの効果があるようなものが好きです。

 

こころの処方箋

「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。
――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、
人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、
本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、
トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。
この、臨床心理学者による短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、
かならず助けになってくれるだろう。

 

居るのはつらいよ

「ただ居るだけ」と「それでいいのか?」をめぐる
感動のスペクタクル学術書
京大出の心理学ハカセは悪戦苦闘の職探しの末、ようやく沖縄の精神科デイケア施設に職を得た。
しかし、「セラピーをするんだ!」と勇躍飛び込んだそこは、あらゆる価値が反転するふしぎの国だった――。
ケアとセラピーの価値について究極まで考え抜かれた本書は、同時に、人生の一時期を共に生きたメンバーさんやスタッフたちとの熱き友情物語でもあります。
一言でいえば、涙あり笑いあり出血(!)ありの、大感動スペクタクル学術書

 

生きがいについて

「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは
何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにして
また新しい生きがいを見いだすのだろうか」

神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。
本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、
まさに生きた思想の結晶である。
1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。

 

 

22.美術

美術展を観にいっても「いいなぁきれいだなぁ」と思うだけで満足していて、画家の人生や絵画理論といったことは知らなかったし、むしろそうした背景や理屈は感動するのに邪魔だと思っていたので知りたくなかったのですが、年を取るにつれて自分の感性だけじゃなくて、知識や理屈も含めて作品を観たくなるようになりました。

自分の感性だけで観ることに限界を感じたのか飽きたのでしょうね。

ただ「いいなぁきれいだなぁ」で終わらせないでもっと知りたくなったといったところでしょうか。

 

山内マリコの美術館は一人で行く派展

ありふれた地方都市に生きる女の子を描いた小説『ここは退屈迎えに来て』で、鮮烈なデビューを飾った山内マリコ。瑞々しくリアルな筆致で心の機微を捉える彼女の小説は、同世代を中心に圧倒的な共感を呼ぶ一方、エッセイでは抜群のユーモアセンスを発揮。コラムやレビューの依頼が絶えない作家です。
大阪芸術大学を卒業し、美術館めぐりが趣味だった彼女は、2013年に雑誌『TV Bros.』で、美術展をテーマにした連載をスタートします。主に一人で、自腹で美術館の企画展に行き、作品の紹介はもちろん、芸術家の背景にも思いを巡らせながら、感じたことをそのまま書く。彼女のユーモラスな文体は、ときに小難しいと思われがちなアートの魅力を、身近な存在として伝えてくれます。

 

絵を見る技術

同じ絵を見ても、プロと素人では、見ているところが違っていた!?

・なぜ、この絵に惹きつけられるのだろう?
・この絵の主役はどこ?
・前情報なしに、どう見たらいいの?
・バランスや構図が良いとか悪いとか、みんな何を見て言っているの?

ちゃんと絵の中にヒントがあるんです。
センスがなくても、知識がなくても、目の前の絵画を「自分の目で見る」
そして「良し悪しを判断する」ことは、できるんです。
謎を解くカギは、ぜんぶ絵の中にあります。

絵の研究は、「意味」と「形」の二本柱。
この本では、これまであまり触れられてこなかった、「造形」の面から歴史的名画を見ていきます。

描かれたモノを「見る」ためには、少し見方を訓練していないと気づかないものです。

 

ファン・ゴッホ 日本の夢に懸けた画家

「ひまわり」に秘められた意味、そして絶筆の謎とは──?

ファン・ゴッホは、生きることの難しい人間だった。高い理想、激しい気性、有り余る情熱ゆえ、学校にも職場にも教会にもなじめず、やがて画家の道だけが残る。ハーグ派、印象派、浮世絵版画との出会いに導かれ、駆け抜けた37年の短い生涯。その心中には、孤高の理想を憧れの地「日本」に託しつづけた、ユートピアへの儚い希望があった。主要作品をオールカラーで辿り、残された手紙によって画家の人生を浮かび上がらせる決定版。 

 

イメージを読む

絵画は美しいのみならず、描かれた時代の思想・宗教観を密かに映し出している。ミケランジェロシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、デューラーの『メレンコリア』、ジョルジョーネの『テンペスタ(嵐)』。世界の名画のなかでもとくに謎に満ちたこれらの作品から、絵画の隠された謎をさぐる。画家が本当に描きたかったのは何か、何に託してその意図を伝えたか?美術研究の成果を存分に駆使しながら、絵画に描かれた思想や意味を鮮やかに読み解くスリリングで楽しい美術史入門。

 

23.本の本

本好きならばきっと誰もが好きな本の話、本について書かれた本、ブックガイド。世に数多の本の本はあるけれど、私が特に好きなものはこちらです。どの本も本への愛に溢れてラブレターのような本ばかり。

 

本を贈る

本は工業的に生産され、消費されている。本は確かに商品だが、宛先のある「贈りもの」でもある。「贈る」ように本をつくり、本を届ける10人それぞれの手による珠玉の小論集。〈執筆者〉批評家・若松英輔/編集者・島田潤一郎(夏葉社)/装丁家・矢萩多聞/校正者・牟田都子/印刷・藤原隆充(藤原印刷)/製本・笠井瑠美子(加藤製本)/取次・川人寧幸(ツバメ出版流通)/営業・橋本亮二(朝日出版社)/書店員・久禮亮太(久禮書店)/本屋・三田修平(BOOK TRUCK) 

 

人生を狂わす名著50

知らない本が知れる。知っている本は、もっとおもしろくなる!
著者は23歳。現役の京大院生。
文学研究をするかたわら、京都天狼院で書店員として働く文学マニアの女の子。

この本は、『京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」 と思う本ベスト20 を選んでみた。』というタイトルで、
2016年、「年間はてなブックマーク数ランキング」第2位となり、本好きの間で大反響を呼んだブログをもとに書かれたブックガイドです。

著者の三宅香帆さんは言います。

実際リストをつくってみると、やっぱり「読んだ後、明確に自分の見ている世界が変わった本」のリストになったなぁ、と思います。
「狂う」って、「世界の規範から外れる」ことだと思うのですが、
どうしても社会や世界に流されることのできなくなる本たちを選んでみました。

外国文学から日本文学、漫画、人文書まで、人生を狂わされる本を50冊選書。
その一つひとつに確かな紹介文が書かれています。
加えて「文学研究」の視点で、50冊それぞれに「その次」に読みたい本を3冊ずつ紹介。

 

偏愛読書トライアングル

私が好きなのは、こんな本たちです! と、溢れんばかりの愛をこめて、書き続けたレビューが、一冊に! 書評やインタビューにひっぱりだこ、「王様のブランチ」ブックコーナーのブレーンも務める著者が、古今東西、本当に好きな本だけを紹介した、極私的かつ普遍的なブックガイド。読書生活を豊かにしてくれること間違いなし。エンタメも、純文学も、海外文学も、ノンフィクションも、面白くない本は一冊もなし。索引と脚注もがっちり装備! 

 

 

名作なんか、こわくない

人気作家・柚木麻子をつくりあげた57冊!
名作は堅苦しい、と感じている人も多いだろう。しかしページをめくれば、そこにいるのは、今の私たちと変わらない悩みを抱えた人々で、女の友情、野心、恋の駆け引き、男の本音といったテーマなどが、余すところなく描かれている。
つまり名作には、女子が今を生きるために必要な情報が山ほど詰まっているのである。
本書は、スタンダールの『赤と黒』、有吉佐和子の『悪女について』からメルヴィルの『白鯨』まで、57冊の読みどころとその本にまつわる著者の思い出を紹介。
読んだ人も、これから読む人も、読むつもりがない人も、「世界名作劇場」を観ているかのように楽しめる。
『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』の著者による、初の刺激的な読書案内風エッセイ集。

 

 

そんなに読んで、どうするの?

いま最も多くの読書家からの熱い支持を集める辛口の書評家といえば、「トヨザキ社長」こと豊崎由美をおいて他にはいない! 幅広い膨大な読書量に裏打ちされた批評眼もさることながら、その歯に衣を着せぬ物言いが痛快至極! 大森望さんとの共著『文学賞メッタ斬り!』や岡野宏文さんとの共著『百年の誤読』で溜飲を下げた人は少なくないはずです。
 そんなトヨザキ社長の初の書評集が遂に刊行! 取り上げた小説は、純文学からエンタメ、前衛、ミステリ、SFなど、ジャンルも国籍も問わない239作品! これまでトヨザキ社長が様々な雑誌に書いてきた珠玉の書評を集め、もう徹頭徹尾、小説愛に溢れた1冊です。しかも今回は、トヨザキ社長の原稿に某大作家先生が激怒し、某雑誌の編集部員が総入れ替えさせられたという、伝説の辛口書評「読者諸君!アホ面こいてベストセラーなんか読んでる場合?(抄)」を特別袋綴じ掲載! それだけでも一読の価値アリです!
 さらに、本書で紹介した作品を、〈落涙〉〈恋愛〉〈センス・オブ・ワンダー〉〈笑い〉といった21項目でチェックした「読みたい本が見つかる書名INDEX」にも注目。トヨザキ社長のレコメンドする小説に出会い、泣いちゃってください、笑っちゃってください、打ちのめされちゃってください!

 

楽な読書

BURRN!に24年に亘って連載している翻訳家・古屋美登里氏による書評エッセイの単行本化、第2弾。初期10年間から50本のコラムを厳選した第1弾『雑な読書』(2017年1月刊行)に続き、今回は連載11年目で誌面デザインが変更された2004年以降のコラムのなかから68本を収録。「海外のフィクション」「日本のフィクション」「ノンフィクション」と章を分け、さまざまな本を紹介している。また、著者が敬愛し、公私にわたって深い親交を結んだ作家・倉橋由美子の作品を取り上げたコラムを特集する章を設け、著者と作家の関わりを語る書き下ろしエッセイも収録!
豊富な読書量に裏打ちされた選書眼と翻訳家ならではの「共感力」、さらに言葉のプロとして磨き上げてきた文章のセンスとユーモア溢れる人柄によって紡がれるエッセイは、それ自体が面白い読み物として楽しめるものばかりで、読者に新たな読書体験を促すこと必至!
特別対談として、『雑な読書』の刊行を記念して2017年2月に行なったトークイベント2本(ゲスト:書評家・杉江松恋氏/広瀬和生BURRN!編集長)の模様を誌上再現! 

 

おわりに

ちびちびちびちび書いてきた「履歴書代わりの偏愛本101選」、ついに書き終わりましたーー。な、長かった。果たしてここまで読んでくれた方お付き合いしてくださった方はいらっしゃるのでしょうか…。読む方もなかなか大変だったとは思いますが、流し読みでも読んでくださっていたら嬉しいです。

書いていて楽しかったし、いろんな思い出が蘇ってきて、本当に私は本によって形作られて来たんだなぁと思いました。

他の人の履歴書代わりの偏愛本も読んでみたいなぁ。