本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

本を勧める

友達に本を勧めるのは難しい。

この本はきっとあの子の悩みや傷に寄り添ってくれる本、理解してくれる本だなと思うんだけど、悩みを解決する傷を治療するってことは、まずその悩みや傷を直視して解体して分析しなきゃ始まらないから、だから人の心にズカズカと踏み込むことでもある。

 


あなたの悩みに合ってそうな本ってことで紹介するってことは「あなたの悩みってこういうことでしょ?」って決めつける側面もあるから、そんなふうにわかったような顔をするのも上から目線なんじゃないか、傲慢なんじゃないかと思って気がひける。

 

自分を救ってくれる本って誰かに勧められるとかではなく、たまたま偶然事故のように出会ってしまうものだとも思っている。


でもその子が悩んできたのも知ってるし、自分の悩みや傷を誰かがきちんと言葉にしてくれることでどれだけ楽になれるかも知ってるので、その役に立つのではないかと思った本は勧めたい。

しかしどう勧めたらよいのやら。勧めるという言葉自体がやっぱり不遜で傲慢な気がしてしまう。

 

勧めるというわけではなく、「こんな本読んだよ」って会話のきっかけにする感じで軽くぽーんと投げてみるのがいいのだろうか。

向こうがキャッチしてくれるかどうかとかその先のことは考えずに。

私がそうすることでその子の悩みや傷の存在を少なくとも把握ぐらいはしてるよってことが伝わるかもしれない。