読書日記『革命的半ズボン主義宣言』
さて、世の中は減点法です。エリートの挫折でお分かりでしょうが、この減点法は”思い込みによる持ち点制度”が前提になっています。大学に入れば会社に行くのが当然。会社に入ればある程度以上の出世は当然。いい大学に入ればある程度以上の出世は当然。全部思い込みです。
橋本治『革命的半ズボン主義宣言』を読んだ。読もうと思ったきっかけは、内田樹が小田嶋隆について書いた記事に、『革命的半ズボン主義宣言』が小田嶋を高く評価していたことと、この本の要約を書いていたのを読んで、面白そうと思ったからだ。
でも読んだ結果難しくてぼんやりとしかわからなくて、要約を読んだときの「面白そう!」というワクワクを超えることはなかった。難しい本を読んだ時あるあるすぎる。
橋本治の本は何冊か読んでいるけど、わかるときはわかって「面白い!」となるんだけど、結構あけすけだったり、アクロバティックな話の流れで、ややこしいように思えて実は単純な話なんだよ、といってるところばかり「面白い!」と思ってる気がする。だから、「本当か?」と疑ってしまう。頭の悪い私は、わかりやすい話に飛びついて、わかった気になって面白がってるだけなのでは?騙されてるのでは?と疑心暗鬼になるのだ。
でも上に引用した部分は心置き無く納得できる。
普通という標準点、当然という基準点があるから、そこに当てはまらない人達はどんどん減点されていくのだ。
みんな違ってみんないいとか、多様性だとかが叫ばれる世の中だけど、それはみんな「世の中は減点法」へのアンチテーゼなんだ。
やっぱり橋本治はみんながぐだぐだ言ったり、あーだこーだ言ってる中を、すごくシンプルにずばっとまとめるのがうまいんだろうな。