本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

愛する人に。 石井ゆかり

2019年の読み始めは石井ゆかりさんの『愛する人に。』でした。

 

この本は帯に「うまくいかない恋愛のことを立ち止まって、考えて、歩き出すためにー。」と書いてありますが、恋している人の支えになるだけでなくて、恋の他にも様々な感情の支えになってくれる本です。

 

それは石井さんが人の心の動き、からまってしまった感情を、優しく解きほぐしてくれて、何を大切にしていくべきなのか、真摯に考えてくれているからだと思います。

 

例えば嫉妬について書いてあるところではこう書いてあります。

 

嫉妬する人は、

「本当に悩まなければならないこと」を、見失っています。

でも同時に、嫉妬する人は、

ひとつのこと恵まれています、

それは、

「自分は愛されるはずだ」と思えている、ということです。

 

嫉妬する人は、

「それは自分にも手に入るはずだ」と思っています。

この前提を持てる、ということがまず得難いことなのです。

最初からあきらめている場合、最終的におそらく、

何も手に入らないでしょう。

 

嫉妬って恋愛だけじゃない。

仕事や趣味の分野でも嫉妬することってありますよね。

自分より優れている人に嫉妬したり、同じような能力のはずなのにあっちの方がちやほやされてない?とか…。

 

でもその嫉妬には自分の願望と可能性が表れているんだなぁと、石井さんの言葉を読んで感じます。

 

他にも遠距離恋愛について書かれているところでは、本当に相手を思うということは何なのかを知ることで、人と人との距離や時間について、こういう考え方もあるよって教えてくれます。

 

恋愛だけじゃなくて人間関係に役立つ優しい言葉がたくさんあるので、定期的に読み返したくなるし、友達にも何人も貸しているのでボロボロになりつつある大切な本です。

愛する人に。 ~新装版~

愛する人に。 ~新装版~