幸福になるために、自分はなんと不可解で鬱陶しい義務を負っているのだろう
赤いワンピース—一九四六年
男の子に選ばれるために努力をする。選ばれるのを待つ。選ばれるために待つのを止めて(それがばかばかしくなって)自分の好きなことをしようとする。でも実際選ばれると嬉しい。で、また選ばれるのを待つ。
そんな女の子の話。
自分のスタンスってなかなか定まらないよね。どっちが正しいとかわからないし。どっちも楽しそうにみえる。
時代の流れがどうのとかあるのだろうけど、でも「あなたの考えは古い!」「あなたは間違っている!」って頭ごなしにいうのは正しくないんだろうな。
今年初めて読んだ小説はアリス・マンローの短編集『ピアノ・レッスン』でした。
純粋無垢な自己中の子ども、母親よりも父親にシンパシーを感じて連帯感を持っているけど女の子としての性質から逃れられない女の子、ちょうどいい感じに意地悪くて怪しげな味のあるおばあちゃん、1人でゆっくり仕事する場所自由を求めて手に入れた場所で更なる不自由に見舞われる女性。
などなど味のある人たちが短編という短い話の間に、ぎゅっと詰まってる贅沢な小説でした。
全部の短編に感想が言える短編集って初めてかもしれない。
女性としての性に違和感を持つ人や、女性だからこそ感じる鬱陶しさや苦しみが書かれていて、
フェミニスト小説っぽいな、でも私が最近そういう本ばかり読んでるから、脳に偏りがあってそう読んじゃってるのかも…。
と思ったけど、解説にアリス・マンローはフェミニストって書いてあった。
そうなのか。知らなかった。
最近読んでる途中に思っていること、考えていることが巻末の解説に書いてあることが増えてきて嬉しい。
今年も本をもりもり読んで読書筋、読書脳を鍛えよう。