本読みの芋づる

芋づる式読書日記。

いろんなところで本を読んできた。

いろんなところで本を読んできた。

 

本と場所というのは記憶として相性がいい。

あの場所で本を読んでなかったら本のこと忘れてただろうし、本をあの場所で読んでなかったらあの場所のこと忘れてただろうな、と思う。

本を読んでいたから、覚えていられた空気感や心持ちがたくさんある。

 

待ち合わせ場所で読んでいて、視界の隅に友達がこちらにやってくるのが入ったけど、あと2行で読み終わるからと目の前に立たれても読み続けていた『瓶の中の手記』

 

乗り慣れていない路線に新鮮さを感じながら、サンリオピューロランドに向かう車中で読んだ『萩原朔太郎詩集』

 

大江戸線が地中深くにありすぎて、地上までの長い長いエスカレーターに乗りながら読んだ本。

 

どこかで鍵を落としてしまい、家に入れなかったので、同居人が帰ってくるまで街灯の下で立ち読みし続けた本。

 

観劇当日になったけど、読み切れてなくて、幕が開くまで歌舞伎座の席で読んだ原作の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。

 

大学に入ってはじめての電車通学で、最初は緊張してきたけど、慣れてきて気が緩み、夢中で読んでたら乗り過ごしそうになった『ASIAN JAPANESE』。

 

図書館で読み終わってもう一度読みたくなったので、貸し出しして帰りのバスを待っている間に二度目を読み終わった『たんぽるぽる』。

 

スカイツリーの麓にあるケーキ屋さんの開店と、友達を待ちながら店の前で読んだ『破戒』。

 

お風呂入りながら読んでたら話が佳境に入って、面白すぎてやめられなくてなんどもなんども追い焚きしながら読んだ、冬の日の『風が強く吹いている』。

 

 

まだまだたくさんある。

自分が読んでいたわけではないけど、記憶に残ってる本と場所もある。

電車で乗り合わせた人が読んでた本。同期が読んでた本と部室のこと。

 

本と場所は記憶の相性がいい。

そしてその記憶のどれもが優しく幸福だ。